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  • 執筆者の写真田中亜弥

たんぱく質とは

更新日:2020年5月3日


1.たんぱく質の定義

たんぱく質とは、三大栄養素の一つで、約20種類のアミノ酸から作られる高分子化合物です。英語では、「プロテイン」といいます。 

炭素、水素、酸素、窒素、イオウなどから構成され、糖質や脂質と違い、必ず窒素を含んでいます。


2.たんぱく質の働き

 たんぱく質は、体内で常に分解と合成を繰り返し、生命を維持するための重要な働きをします。具体的には以下のものがあります。


 (1)筋肉や内臓から皮膚、爪、髪、全ての組織の材料となっています。

 (2)代謝に欠かせない酵素を作ります。

 (3)体を感染などから守っている免疫グロブリン(抗体)を作ります。

 (4)エネルギー源としても利用されます。


3.たんぱく質を多く含む食材

 たんぱく質を含む食材は、肉、魚、乳製品などですが、特に多く含む食材は以下の通りです。


 肉類:牛肉(赤身)、豚ヒレ肉、鶏胸肉、ささみ、鹿肉、馬肉など

 魚介類:まぐろ、かつお、鮭、ほっけ、たら、さば、あじなど

 乳製品:無脂肪牛乳、カッテージチーズ、無脂肪ヨーグルト

 大豆食品:納豆、豆腐、豆乳など

 その他:卵、するめ、ビーフジャーキー


4.たんぱく質の必要摂取量

 厚生労働省が推奨しているたんぱく質摂取量は、成人男性で65g、成人女性で50gとされています。

 ただ、日ごろから運動している方や、競技パフォーマンスを向上させたいアスリートや、アスリートでなくとも筋肉をつけたいという人は、たんぱく質を多めに摂る必要があります。目安として、男女とも、体重1㎏あたり2g程度摂取するといいと言われています。

 ちなみに、肉や魚100gあたりに、たんぱく質は約20g含まれています。


5.たんぱく質の過剰摂取と欠乏による弊害

 (1)過剰摂取の場合

 とりすぎたたんぱく質は、そのままでは体内に貯蔵されません。肝臓で分解され、グリコーゲンや脂肪に変換されてエネルギー源になります。その過程で腎臓は余分な窒素化合物を絶えず尿中に排泄しなければいけず、肝臓や腎臓の機能低下を引き起こします。

 また動物性タンパク質を摂りすぎると、体に吸収されなかったタンパク質がそのまま腸内に送り込まれ、悪玉菌のエサになってしまうので腸内環境の乱れが起こりやすいです。


 (2)欠乏の場合

 たんぱく質が欠乏すると、筋肉量、体力や免疫力の低下だけでなく、集中力、思考力も低下すると言われています。また肌や髪のトラブルも起きます。

 乳幼児の場合、成長の遅延、無気力、無反応、全身のむくみに貧血などの症状が起こりやすくなります。

 やはり、適量をしっかり摂ることが重要です。


次回は、「脂質」についてです。お楽しみに!



〔参考文献〕 ・『改訂新版いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書』中島洋子監修(新星出版社) ・『パーソナルフィットネストレーナー 日本語版』東山暦監修(NESTA JAPAN事務局) ・タンパク質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは(https://cp.glico.jp/powerpro/protein/entry04/)

※なお、このブログは、タイトルに関する基本情報を出来るだけ端的に分かりやすく伝えるために、文献から多く引用している箇所もありますが、著作権を侵害する意図はありません。私自身の知識をまとめる作業の一環でもあり、至らない所もあると思いますので、より詳しく知りたい方は上記の文献をぜひご覧ください。

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