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  • 執筆者の写真田中亜弥

ダイエットとカロリー①

更新日:2020年5月3日

1.ダイエットとは

 普段気軽に使っているダイエットという言葉は、「食事制限」という意味で捉えている方が多いと思いますが、本来の意味を知っていますか?

 ダイエット(Diet)の原義は、「食事」という意味です。そのため、本来は日々の食事を正しくとることで、適正な体重を維持することが目的です。しかし近年、過度な痩せ願望を持ち、不必要なダイエットにハマる人が多くなっています。

 上手なダイエットは、体に負担をかけずに長く続けられるものです。食事内容の見直しや体を動かす習慣をつけることなど、基本的なことから始めるのがダイエット成功の秘訣です。

 また、減量の目安は、1ヶ月で体重の5%以内が理想とされており、これによりリバウンドのリスクを下げられます。例えば、体重60kgの人なら、1ヶ月の最大減量幅は3kgとなります。


2.カロリーと体重増減の関係性

 ダイエットをする上で、とても重要なのがカロリーという概念です。そもそもカロリーとは、エネルギーの単位です。 三大栄養素のカロリーは、炭水化物1gあたり4kcal、脂質9kcal、たんぱく質4kcalです。ちなみに1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1kcalです。

 基本的に人は摂取カロリー<消費カロリーになると体脂肪が使われやすくなり、痩せていきます。逆に、摂取カロリー>消費カロリーになると、過剰なエネルギーが体内に蓄積される結果、太っていきます。よって、ダイエットする際に気をつけたいのが、摂取カロリーと消費カロリーのバランスなのです。


3.1日の推定エネルギー必要量

(1)推定エネルギー必要量の計算方法

では、1日の消費カロリー(推定エネルギー必要量)を知るには、どうしたらいいのでしょうか?それは、各自の基礎代謝量に身体活動レベルをかければ、算出することができます。具体的には以下のような数式になります。


推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルの指数


同じ性別と年齢でも、身体活動レベルが違うと推定エネルギー必要量は違ってきます。

 

<身体活動レベル>

レベルⅠ(低い)→生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合(×1.5)

レベルⅡ(ふつう)→座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合(×1.75)

レベルⅢ(高い)→移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合(×2.00)

(2)具体例

 例えば、基礎代謝1200kcalで、身体活動レベルⅠの人の推定エネルギー量は、1200kcal×1.5=1800kcalです。1800kcalを摂取していれば、太ることも痩せることもなく、維持できるということになります。

(3)基礎代謝とは

 ここで、基礎代謝とは、生命を維持するために必要最低源のエネルギー代謝量をいいます。基礎代謝量は、あくまで安静にしている状態で使われるエネルギー量だけを示しています。仕事、家事、運動など、日常生活での様々な活動によって、エネルギー代謝量は増えます。

 ダイエットする際に、摂取カロリーが基礎代謝量を下回ると飢餓状態となり、体内のたんぱく質がエネルギーとして使われるため筋肉量が減り、基礎代謝量が落ち、エネルギーを蓄えようとする働きが強くなります。そのため、ダイエットしてもリバウンドしやすい体質になってしまいます。

 基礎代謝の算出方法は、下記のサイトをご参照ください。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736(Kaisan 高精度計算サイト)


 次回は、「ダイエットとカロリー②」をお届けします。ダイエットする際の摂取カロリーの計算方法などお伝えします。お楽しみに!


〔参考文献〕

・『改訂新版いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書』中島洋子監修(新星出版社)

※なお、このブログは、タイトルに関する基本情報を出来るだけ端的に分かりやすく伝えるために、文献から多く引用している箇所もありますが、著作権を侵害する意図はありません。私自身の知識をまとめる作業の一環でもあり、至らない所もあると思いますので、より詳しく知りたい方は上記の文献をぜひご覧ください。

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