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  • 執筆者の写真田中亜弥

BCAAとEAA①〜BCAAとは〜

更新日:2020年6月16日

 「BCAAとEAA」は、トレーニングしている方なら、1度は聞いたことがあるサプリメントだと思います。ここ最近、EAAがブームになってきており、「BCAAとEAAどっちを摂ったらいいですか?」というご質問も増えています。色んな論争がありますが、今回は、まず「BCAA」についてお話ししていきたいと思います。


1.BCAAとは

 BCAAとは、Branched Chain Amino Acid (分岐鎖アミノ酸)の頭文字をとったもので、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称です。私たちの体の筋肉や血液、髪の毛、皮膚、爪、ホルモン、酵素などはたんぱく質で出来ています。そのたんぱく質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。そのうち、9種類は体内では合成できない必須アミノ酸と呼ばれます。BCAA以外の必須アミノ酸は、主に肝臓で代謝されますが、BCAAは、主に筋肉で代謝されるのが特徴です。そのため、BCAAは、持久系のアミノ酸として、運動時に筋肉でエネルギーとなる、とても重要な栄養素です。


2.BCAAの働き

(1)筋肉の合成の促進・筋分解の抑制

 BCAAは、運動時に筋肉のエネルギー源となってコンディションをサポートしてくれる運動の心強い味方です。持久運動を行うと、体は糖質や脂肪、血液中のBCAAを使ってエネルギーを生み出しています。しかし、それらのエネルギー源がなくなると、筋肉の材料となっているBCAAをエネルギー源として利用するために、自らの筋肉の分解を始めてしまいます。この状態が続くと筋肉は損傷し、筋力の低下を招いてしまうので、運動時にBCAAを摂取する必要があります。

(2)疲労回復・集中力の持続

 運動により疲労物質である乳酸が生成されると、パフォーマンスが低下するといわれています。BCAAを摂取すると、乳酸をエネルギーに変換するクエン酸回路をスムーズに流し、乳酸が蓄積されるのを抑えてくれます。また、脳にセロトニンという物質が増えると疲労を感じやすいですが、BCAAを摂ることでセロトニンの過剰分泌を抑制し、集中力を維持してくれます


3.BCAAを含む食材

 BCAAは、まぐろの赤身、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などに多く含まれています。

しかし、これらの食品からBCAAを摂取しようとすると、吸収までに時間が掛かり、余分なカロリーまで摂取してしまうことになります。なので、運動時に効率的にBCAAを摂取するなら、サプリメントやドリンクがオススメです。


4.BCAAの摂取タイミングと摂取量

(1)摂取するタイミング

 BCAAは摂取後15~30分で血中濃度が最大になります。その後ゆっくりと低下し、2時間後には元に戻ります。前述のように、BCAAはエネルギーとしても使われ、集中力増加効果もあります。よって、トレーニングや練習の約30分前に摂取すると良いと言われています。しかし、長時間のトレーニングの場合は、更に、運動中も少しずつBCAAを飲むようにし、体内のBCAAを常に保つと良いと言われています。(※2

(2)摂取量

 効果的な摂取量としては、体重1kgあたり、0.08g~0.12gが目安と言われており、体重の軽い人は5g、体重の重い人(80kg以上)は10gが目安です。この量を運動の30分前に飲み、長時間の運動の場合は同じの量を運動中のドリンクに入れて少しずつ飲むこととより効果があると言われています。(※2)


 次回は、「BCAAとEAA②〜EAAとは」です。BCAAとEAAをどう使い分けて飲むのが良いのか、またはどちらかだけでいいのか等を、お話ししていきます。お楽しみに!


<参考文献>

BCAAとは』(オオツカ・プラスワン)※1

BCAAとEAAの効果的な摂取方法』(フィジークオンライン)※2


※なお、このブログは、タイトルに関する基本情報を出来るだけ端的に分かりやすく伝えるために、文献から多く引用している箇所もありますが、著作権を侵害する意図はありません。より詳しく知りたい方は上記の文献をぜひご覧ください。


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